コミュニケーションエラーなのか?

胃痛に悩まされてここのところ更新が滞りがちです。すみません・・。

さて、法務との綱引きの話の続き。

今週の東京勤務で法務の元部長と現部長(最近交代したのだ)から『もろもろ打ち合わせ』要請が入ったので、鬼が出るか蛇が出るかのような気持ちで臨んだのだが(おかげでその前日から胃が痛くなってずっと治らない。トホホ)、結論から言えば、特に無体な要求もなく、合理的な申し出だった。曰く、

・知財関係の訴訟・警告事件の窓口対応は、グループ会社あてのものも含めて知財渉外で担当する。
・その際発生する特許補償関係は、契約問題なので法務で担当する。
・法務と知財の関係は、GeneralとSpecial

・ただ、法務は技術的なトレンドとか会社が(技術的に見て)取り組んでいる方向とかに疎いので、契約審査の際にこんな契約がいま上がってますということを知財にインプットするので、それに関して知っている情報があればフィードバックして欲しい


なんだ、当たり前な話じゃない?協力関係は歓迎するところだし。

と私は思ったのだが、それまで東京支店で他の部員が受けていたクレームとかは先日書いたとおりの模様だったらしいのだが、これは私は直接見聞きしていないし、今回の打ち合わせは私以外は出ていないし、で真相は藪のなかである。人によって向こうが対応を変えてるのかもしれないし、いろいろこちらの反応をみて整理した上で考えてきた結果なのかもしれないし、ただの誤解なのかもしれないし。

ま、ともかく契約問題に深入りしなくても良くなってほっとした。問題の一つは、ライセンス違反品の搭載で警告を受けている案件があり、この件の分担をどうするのかとうところにあったのだが、よく聞いてみると、特許権者への対応は知財でやってくれるんだよね(取引契約の問題が主だけど,警告の対応までは法務でやらなくてもいいよね?)ということだった模様。まあ別についでにやってくれても一向に構わないんだけど、一応切り分けとしては上記の形なのでそりゃそうですね。ということになった。

どちらにしても、交代した部長さん(最近中途入社された)は、合理的思考でぶった切るタイプのようなので、ちゃんと理論的に対応すればできるできないで対応もされないし、私としてはかなり仕事はやりやすくなりそうである。

ともあれ、しばらく様子見ですな。

バックグラウンドの違い

昨日の生臭系エントリにTwitterを含めいくつかコメントを頂いた。

セクショナリズムに陥るのは怖いというもっともな指摘の一方、理想はもちろんそうだけど、知財と法務は近そうで遠いのでなかなか難しいというコメントもあった。また、一般契約書の知財関係の条項をどうするかというのは知財と法務の境界領域であり、もめやすいという指摘もあり、『知財に契約書が書ける人材がいればいいんですが』とも。

知財と法務の距離については、渉外領域でこそ重なるけれども、知財の本業?である権利化のところや法務の会社法関係やら企業法務系をとってみればまったく重なるところがなく、共通語はほとんどないのでは?と思ったりする。契約法務の一部、訴訟の一部領域で重なるだけと言えましょう。偉そうなことをいろいろ書いて法務系の方々に物議をかもしておりますが、私とて法務もまとめて面倒みろと言われたらしらないことが多すぎてちょっとヤダというのが本音。

バックグラウンドで言えば、法務の方々は、大抵は大学の法学部出身で、いわゆる文系王道のため、どうも技術が絡むとかなり強い拒否反応を起こされることが多いように思う。特許のライセンスとか、技術導入とか、共同研究・開発、開発委託等は、目的物が技術的なもので、その内容の理解ができないと契約の良し悪しを見極めるのも難しいし、だいたい審査や起草していても隔靴掻痒感が強くておもしろくないだろうと思ったりする。

一方知財屋は、大抵理系出身のエンジニアで、開発者から転じるケースも多い。特許明細書の読み書きが出来るようになるにもけっこう時間がかかったりする(あんまりそれまで日本語をまとめて書いてきていないので,国語力が弱い)。それでもずっと権利化業務をしていけば、あの独特の言いまわしにも(善し悪しはともかく)慣れ、判決文を読んだりして裁判所の文章にも慣れてきたりはする。しかし、やはりどこまでいっても技術者なので、正解を求める傾向は強いし、ものの全体像を見て判断し、大きな枠組を捉えるだけで厳しい(ここまでは渉外にも必要な力量)。それをさらに契約書に落とすとなるとかなりハードルが高いと思う。知財に契約書が書ける人材は普通は育ちません。

これは知財渉外の人材の力量を考えるときのテーマでもあるのだが、バックグラウンドとして知財系と法務系のどちらが教育すべきことが少なくてすむか。向いているか。知財系の部下と法務系の部下を持っていて、どっちが近道?とか毎日思っている。

困るのは、技術にアレルギーのない法務の人材や、契約ができる知財の人材は、その時々で輩出されると思うけれど、それでは仕事が人に付いてしまう。それぞれの部門の機能としてその部分を持とうと思うと継続的に教育する仕組みまで必要になり、ひょっとするとバックグラウンドももっと求められるモノが変わってくるかもしれないということ。

ともあれ、当社程度の規模ではないものねだりをしても仕方が無いので、なんと折り合いをつけてやっていくしかない。本日東京支店で法務部長に次回の東京出張時に話し合いの場を設けたい旨ほのめかされたので、ま、とりあえず腹を割って話をしましょう。

特許補償は誰のもの?

時々勃発する知財渉外と法務の綱引きの話。

当社はファブレスメーカーなので、全ての製品に製造元が存在する。よって、当社の製品に対して特許侵害警告が来た場合、まずは製造元が特許補償(Indemnify)してくれるかどうかが問題となる。当然、当社が開発設計したとか、部品を指定したとか、まあいろいろの製造をめぐる事情によって適用は変わるわけだけれど、ともあれ基本はまず特許補償で、『インデムは?』なわけである。そして、当然その適用条件は製造元と当社の取引契約に定められている。

特許侵害警告や訴訟事件が発生した際、順序としてもちろん対象特許の確認はするが、同時並行でまずは対象製品を特定してその技術内容の把握よりも先に製造元を特定し、そことの間の契約条件を確認する。そして、悲しいかな明文の契約が存在しないままビジネスを行っているケースが発覚したり、こちらの雛形で(要は当社有利に)契約は締結されているけれど相手に補償能力がないとかいう場合だったりすることもある。
※ちゃんと契約があって、相手にも財力があっても、実は補償を受けられるケースは極めて稀なのだけれども。適用除外に該当する場合がけっこう多いので・・・。

で、ここで問題。このような製造元との取引契約の特許補償条項の確認からそれに基づいた補償要求までの一連の業務はどこの管轄なのか?業務分掌によれば、法務は『会社の法務に関する全ての事項を管轄する』し、『契約書に関する事項』は特掲されている。知財は、『第三者との知的財産侵害訴訟や渉外に関する事項を管轄する』んである。

特許補償条項はもちろん特許訴訟等の際にしか発動されないけれども、これも契約書の一部になっているわけで、これだけ取り出して適用を云々する問題ではなくて、取引契約全体を見て条項も起草されるだろうしそれに基づいた運用もされるべきだと思うんだけど。と、これはこちらの言い分。

法務の言い分だと、

これは特許訴訟に付随して起こっているものでしょ?当然知財ですよね。

以上おしまい。

いやだって、特許補償を含む契約の起案とか審査とかはどうするの?それも知財でするの?特許補償の条項だけ知財が見るの?そこだけバッチリになっていればいいという問題じゃないでしょ?物の売買に伴なう取引条件の一部なんだから、会社の法務を全体として扱ってもらわないと困るんだけど〜。適用するところだけ知財でしろって?それも変でしょうが。

そもそも契約問題は渉外マターじゃないよな〜と思うわけですね。

確かに、前職は知財部渉外じゃなくて、知財部技術法務課でした。技術的事項を含む契約は全部取り扱ってました。OEMの売買契約とかも審査起案しましたとも(それこそ特許補償条項があるから)。でもねぇ、それって、こっちは知財は専門だけど法務は専門外なわけ。それなりにやってもやっぱり一般条項とか見るのは自信がないし、そこまで専門知見を要求されてもなぁ、と思ってたわけです。せいぜいやってもライセンス契約までだと思うんだよね。そこ。あんまり押さないで欲しいんだけどな〜。綱引きというより押し出し相撲ですかい?

仕事の配分とスケジュール管理

本日は、渉外業務を離れて(まあ月曜日はまだアメリカが稼働していないので大抵は余裕がある)、知財部全体のマネジメントの課題に取り組んでいた。というとなんだか前向きだが、要するに、誰が何をやっていて納期がどうなっていて急ぎの仕事が来たらどこ(誰)に入れることができるのか、さっぱりわからないので見える化しろと部長に言われたので対応していたわけだ。

しかし、この手の管理って、スケジュール表と日報が伝統的だと思うんだけど、このIT時代にそれか?と思って何か使い易いフリーソフトとかないのか?と探してみるも、プロジェクト管理ソフトの類しかヒットしない。別にプロジェクトというわけでもないんだよね。知財の仕事って。アイデア発掘して提案書にしてもらい、それを事務所に持ち込んで特許出願にするという1件仕事の積み重ねが主なもの。出願後は外国出願するかを判定してするならその処理があり、その後審査請求処理があり、拒絶理由応答とかの中間処理が来る。どれもこれもプロジェクトと言うほど大きなものではない。かといって、国内出願、というプロジェクトが走っているわけでもないし(各案件はプロジェクトを構成するタスクというわけではなくて互いに独立だ)。

だからまあ、国内のアイデア発掘、製品化前調査、出願、外国出願、中間処理、意匠、商標、ブランド管理、渉外、特許事務、という別々のまあ時々リンクする業務があって、それを誰に割り振るか、そして、個々の納期がどうなっていて、いま誰が何をやっているのかが掴めればそれでいいわけなんだけど。

カレンダーじゃみにくいんだよね。三ヶ月程度はすくなくとも日付が横にダーっと並んでいるのが必要で。ガントチャートでも悪くはないんだけど、プロジェクトごとじゃまずくて、部内の全ての業務を並べてみたいわけ。担当者ごとのビューも欲しい。プロジェクト管理ソフトで対応しようと思うと、少なくとも複数のプロジェクトを一括管理できるものが必要になってしまい、それじゃエンタープライズ系のどうやっても有料のゴツイものしかなさそうで。困った。

となると、どんな方法があるでしょう???
結局、1日うろうろ悩んだ挙句、部長から送られてきたエクセルシート(3ヶ月の日程表)に原始的に書き込んでるところなんですが。これを日付更新して毎月入れなおすかと思うとげっそり。一度入れたらあとは手書きで朱入れとか言われてるし。。。ときどき自社が売ってるものの種類を疑いたくなる内情・・・。

一括払Royaltyの会計処理

以前のエントリで、Royaltyを一括払いにした場合、将来分が含まれていれば、資産計上の必要があるということを書いた。そして、それは、長期前払費用か無形固定資産かどちらかで会計上は処理をすればよいとも書いたのだった。

長期前払費用で計上する(最長5年)のは、当社の経理の言い分で、特許権の譲渡ではなく、実施権の許諾だからという理由付けだった。前職では、譲渡の場合も実施権許諾の場合も効果に特に差はないので、どちらも無形固定資産計上しておリ、ちょっと驚いたのだったが、まあ経理がそう主張するので、きっと会計士さんのコメントも取ってあるのだろうと思っていたのだ。会計処理は、これでなければダメというよりも、いくつか方法があって、その場その場で判断がぶれず、その会社として方針が通って処理がなされていれば良いというケースが多いので、これもそうだろうと踏んだわけです。

が、先日、別件で経理と打ち合わせてきた部下が言うことには、

いままで契約したライセンスの対象特許の満了日を教えて欲しいと言われまして。どうやら長期前払費用の5年じゃなくて、無形固定資産計上しなければならないということで、8年よりも前に特許が満了する場合はその満了日までで償却らしいので、それで、満了日を教えて欲しいと。


だ〜か〜ら〜、それは最初に散々聞いたじゃない?特許だから無形固定資産で8年償却でしょ?ってさ。そのときにいや、長期前払費用で当社はやりますからって自信たっぷりだったじゃないの?税務署にちゃんと確かめて処理してたんじゃないわけ〜。またやり直しだよ、オイ。

ちょっと愚痴でした。経理って、一本筋が通っていることが絶対絶対重要だと思うんですけど。違います??